皆さんこんにちは!!

土谷一樹です。まだまだ未熟者ですが頑張っております。

今回は嘘のような本当の話です。

「いったいどこに住んでるの?」

世の中にはいろんな人がいて、いろんな生活をしている…
ということはある程度わかっていたつもりでしたが、
若造土谷、まだまだでした…。

ある深夜の出来事…。

例のこわい先輩から
「明日、勤務先特定調査が入ったから。
この住所に早朝から行って、ターゲットが出てくるところを追尾しろ!」
と電話越しになぜか怒鳴られ、
始発の電車に乗ってうつらうつらしながら、埼玉県の奥地に行ってきました。


早朝5時15分到着。
眠い目をこすりながら、駅から歩くこと20分。
地図片手にようやくたどり着いたその場所には該当住所(号)がない!
眠気もどっかに吹っ飛びました。
30軒ほどの番地なので片っ端から表札を見るもやはりない…。
後残るはじゃりが轢かれた小さな駐車場のみ。
ご近所から聞き込むと、2年以上前から駐車場とのこと。
まさかここに住民票を置いてるのか!?、ていうか置けるのか!!??
そんなことを考えながら、先輩に報告すると、

「ターゲットがその前に住んでいた住所が判明しているから
 そっちに行ってこい!A町だ。」
とのこと。

はやく行かないとターゲットが出勤してしまう…と焦りながら、
急いで電車に飛び乗る。
A町まで約30分。なんとか通勤ラッシュが始まる前に現地に到着した。

「えーとA町のどこどこと…。あった、あのマンションの2階だ。」

あっさりと見つかり、ほっと安堵のため息。

しかーし、郵便受けを見ると別人の名前。しかも新しい。
慎重を期して玄関の前まで行くが、郵便受けと同じ名前…。

  「なぜ? なんで?? なぜに???」

住民票上の現住所はさっきの駐車場に置いておいて、
実は前の場所に住んでいるとかじゃないのか…。

またおそるおそる先輩に報告すると、

「その前の前に住んでいた住所が判明しているからそっち行ってこい!
 隣のB町だ。」

B町はというと、なんとせまい通りをはさんで向い側じゃないですか。
すぐさま確認するとまた別人の名前が…。

うーむ。いったいドウイウコトダ?


またまた先輩に報告すると、

「そうか。なるほどな…。」
「いったい全体どういうことですか?」
「これは借金絡みだよ。
 ただ逃げ回っているだけじゃなくて、あいだに人が入っているパターンだな。
 ちょっと最初からおかしいとは思っていたんだ。
 A町からB町への移動は同日になっているんだよ。
 おそらく住んでもいないところに住民票を移したんだよな。
 役所は別に本当にそこに住んでいるかなんて、その日に確認しにくるわけないし。
 そういう知恵をつけてやる人がいるってことさ。」
「はぁ〜。」
「とりあえずとっとと戻って来い。」
「はーい。」

なんかわかったようなわからないような話です。
事務所に戻り、詳しい話を聞いて驚きました。

先輩の話はこうでした。

「ある人物AがB社からお金を借りるとする。しかしAは返せなくなった。
 それをB社に相談する。B社は別のところから借りて返せとアドバイスする。
 そこでAは他社から返せないのを承知で借りる。
 当然他社はAが返せないのを知って詰め寄る。
 その際に居場所がバレたらAはB社に返済できなくなるので、
 B社がある意味Aを隠すわけだ。
 そうしてAはあちこちから安心して(?)借金でき、
 B社にも随時返済できることになる。
 もしくはそれ専門に金を借りては行方不明になることを商売にしている、
 という可能性もアリだよな。」

なるほど…。奥が深い。

ここまでの調査結果を報告したところで、依頼人様も思うところがあったらしく、
調査はあっさり終了・・・となりました。


しかしいまだに気になるのは、

「いったいどこに住んでるの?」

です。