台風一過で涼しくなり、もう布団が恋しいです。

できれば肉布団がいいなぁ・・・とアホなことを
考えている夢見る少年@土谷です。

今回は少しメカニカルな話をしましょうか。

我々探偵にとって、カメラ技術は欠かせないもの。
弊社でも元スクープカメラマンの先輩の指導の下、
スタッフは研鑽の日々を送っています。

我々探偵が使用する数々の道具も時代の流れとともに変化し、
カメラもいまやデジタルが主流です。
またビデオカメラも必須アイテム。
動く被写体を押さえるのに、これほど威力を発揮するものはありません。
夜間でもある程度撮影できちゃう日本の技術力はスゴイです。

そんな優れた器材を持っていても、使う方がイマイチではどうしようも
ありません。

様々な隠し撮り方法、歩行中でもブレないように撮影するテクニック、
無線型カメラを使用した長距離での張り込み術など・・・

覚えることは山のようにあります。

この前、その元カメラマンの先輩の仰天アイデアに驚かされました。

それはとある不倫カップルの決定的写真を押さえる現場での出来事。
部屋から出てくる二人を激写すればゲームクリアという状況でした。

勤務先のオフィスビルから出てくるダンナさんを尾行。
車で少し離れたレストランへ行き、店でうら若き女性と合流。
スタッフ一同、ときめく瞬間です。

食事風景だけでは決定的とはいえない。
そのあと動くことを祈りながら、張り込みます。

食事後、彼女が駐車場のある車からバックを取り出して、
ダンナさんの車に乗り込みました。

   あ、ありがてぇー。

ナンバー調査にかければ、彼女の身元はバッチリです。

すぐさまダンナさんの車を追尾。
この辺りからぽつりぽつりと雨が落ちてきました。

だんだん雨脚が強くなる中、慎重に運転し、ついに念願の(?)
ホテル到着です。

そこはホテルというよりはコテージといった感じで、ひと部屋ずつ
離れており、その部屋に入る人のみが車両を止められるといった配置に
なっておりました。

頭を抱える土谷・・・。
張り込んで車から撮影というわけにはいきません。
かといってこの雨の中、人が外にいるのも明らかに怪しい。

ビデオを固定焦点にしておいて、放置するのが一番なのですが、
この豪雨。
濡れてはせっかくの機材が壊れてしまいます。
さぁ、どーする!? 車内にはコンビニの袋くらいしかありません。
こんなちゃちなものではスグに浸水するのは、目に見えています。

休憩ならば早くても1時間はいるはずなので、土谷をとりあえず
現場に落として、近くのコンビニへ。

その間、土谷はどうしていたかって?
ビデオを濡らさないように、大事に抱えて降りしきる雨の中
石のようにうずくまってました・・・。

捨てられた子犬のようにプルプル震え、哀れな土谷・・・。

しばらくして戻ってきた先輩の手には、カップ麺が。
あぁ〜、冷え切った土谷のために…。なんて優しいんだ!!

とプチ感動に浸っていると、袋を空け、蓋をはがし、中身を
全部捨てるではないですかぁっ!!

「あぁっ! 先輩なにしてるんですかぁ!」

「ああ、これ? はさみで切って即席ビデオ収納BOXにするのさ」

と、目の前でどんどん加工されていきます。

あーして、こーして、ああなって、こう。
あら不思議。あっというまに完成です。

カップ麺の発泡スチロールがこの豪雨にも耐えるボディ剛性を与えて
います。
全体をコンビニ袋で包むと、ただのゴミにしか見えません…。


    おぉっ! グレート!! それゆけカップ丸!


この特製ビデオをばっちりのポイントに設置します。
あとは離れたところで待ち、出て来たあとでカップ丸を回収するだけ。

かくして無事にミッションは完了したのでした。

こうしたちょっとした経験やアイデアによってピンチを切り抜けるわけですね。

土谷もトイレに大をしにいって、コト済んだあとに紙がないことに
気づく、というピンチを何度も切り抜けています。
具体的方法はここでは割愛させていただきますが…(自主規制)

「切り抜ける前に、先に気づけよっ!!
 ていうか、何度もって、学習しろよ!お前はニワトリかぁ!」

と、例のこわい先輩に突っ込まれつつ

「コケ、コケッ、コケコッコー!」
と高らかに雄たけびを上げる土谷なのでした。
(なんじゃそりゃ・・・)