コンビニから車を出した彼は、路地を抜け、大通りに出て、

溶ける・・

またまた空いた道路を飛ばして行きます。


急ぐのは、

  アイスが溶けちゃうからだろっ!


  そんでもって、この調査が終わったら、

  絶対クッキー&クリームを食べるもんね。
そんなことを思いながら、土谷を乗せた探偵3号も喰らいついていきます。

やがて車は住宅街に入り、一軒のマンションの前に止まりました。

見るからに高そうなマンション。

かなりいいところのお嬢様か、水商売系と見た。。


  あぁ、ついにこの時がきた!

  尻尾をつかんでやるから覚悟しな。

探偵魂に燃える土谷。

マンションの入り口に立ち、携帯で話しているターゲット。



  来るか、来るか、


  キタぁー!



  ・・・。

  スーツを着た、おっさんが二人。


なんでやねんっ!

彼はオッサン二人を社用車に乗せて、来た道を戻ります。


なぁーんだ、部長だか専務だかを迎えにいっただけなのね。

緊張して損した。

  でも、あれっ ?

  何かひっかかることがあるゾ。
彼の車を追うかける土谷の脳裏に、なにか割り切れないものがあったのです。


  あぁっ!


  ハーゲンダッツ!! ( × 2 )

そういえば、あれはいったいどーなったんだ?
気になる。


  まさか・・・

信号待ちで彼の車が止まったときに、そっと、左後方から車内をチラ見。


  やはり・・・


  部長と専務(らしきオッサン)が、


  一心不乱にアイスを食べている姿が!!


オッサンの好みまで熟知しているとは。
サラリーマンも辛いよねー。

そのまま会社に戻り、夜遅くに自宅に帰った彼の姿を見て、

あらためて日本経済はこういう人たちに支えられているんだなぁ、
と感じてしまった土谷なのでした。