いやはやもう春間近ですねー。

杉も満開で花粉飛びまくりですね。

みんなしてかゆい目をこすりながら、鼻ぐずぐずいわしてます。

そんな花粉のせいなのか、この前事件がありました。

とある高級レストランでのこと。

聞き出し工作 −− 自然なセッティング状況を人為的に作り出し、
依頼人が知りたい情報を相手から直に取得するというもの −− 
を行っていたときのことです。

我々はターゲットの勤務先業種に目をつけて近づき、
ようやっと接待を装った工作を行うまでに漕ぎ着けました。

その大事な大事な工作の最中に、ナント酔っ払いが乱入してきたのです!

思えば入店時からその予兆はありました。
店内はガラガラ状態。
我々の席から2つ離れたテーブルに一人ワインをあおっては、
携帯電話で話している巨漢女性(?)がおりました。

  しかもかなりの大声…。

テーブルの上にはボトルが整然と並んでます。

どうも出会い系サイトか、伝言ダイヤルで淋しさを紛らわせている様子。

気にはなりながらも、接待という設定なのできょろきょろするわけにもいかず
工作を進めていました。

デザートが出て、必要な話は全て引き出し、ホッと一息。
そんな我々の気持ちを見透かしたかのように事件は起きたのです!

席からおもむろに立ち上がった彼女は、ターゲットと話している
ボクの上司役の男性工作員に背後から抱きついてきたのです。

  その力たるやプロレスラー顔負け。

そんな影がうしろから迫っているとは露知らず、
切り上げ時をはかっていた先輩もビックリ。
しかし、さすがにそこは経験豊富。
即座に立て直します。


「はいはい、今話中なんでねー、ちょっとごめんねー」

と、まるで幼児をあやすような口調で羽交い絞めをブレーク。

そしてボクに小声で「何とかしろ!」と命令・・・。

ボクはターゲットに笑いながら、「まったくしょうがないですねー」と言って
席を立ち、彼女を先輩から引き剥がしました。


ここまではよかったのですが、彼女のあまりの重さに腰にきたのと、

「アタシィ、男の人がだ〜い好きなの」

という姿からは想像もつかない甘い声が耳に入ってきたせいで、
そのまま将棋倒しに下敷きに…。

起こそうにもマグロ状態で、とても一人では手におえず、
結局店の人に片付けて貰っちゃいました・・・。

大うけのターゲット。
笑いが取れたところで、なごやかに退席となりました。
土谷はひとり痛む腰をさすりながら、愛想笑いです。


こんなときのタメにも、明日からは筋トレを行わなければ・・・

と、心に誓った土谷なのでした。